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インナーラケットおすすめ10選|球持ちと回転で選ぶ次の一本

木材合板から次の一本へ。インナーラケットのおすすめ10選を、ALC・ZLC・SUPER ALC の打感の違いと公式スペックで比較しました。前陣か中陣か、自分の打ち方フェーズと照らして球持ち・回転で選ぶ選び方まで、試打した体感ベースで整理しています。

ひさと · 2026年6月6日

そろそろインナーに行きたい、と思ったときに

5枚合板や7枚合板の木材ラケットで基礎を作って、フォアもバックもドライブがそこそこ安定してきた。そうなると、次の一本を考え始めますよね。私もブランク明けに木材で打ち方を戻したあと、もう少し弾みが欲しくなってインナーカーボンに手を出した口です。

インナーカーボンというのは、カーボンの層を木材の内側に挟んだラケットのことです。木材だけのラケットより少し弾みつつ、アウターカーボンほどクセが強くない、その中間あたりの選択肢になります。

ただ、いざ選ぼうとすると迷います。アウターカーボンの方が弾むらしいけど、回転はかけにくくなるんだろうか。インナーの中でも ALC と ZLC で何が違うのか。重い方がいいのか軽い方がいいのか。私もここでだいぶ立ち止まりました。

なので、各メーカーの現行インナーカーボン10本を公式の数値で横並びにしながら、スペックを並べるだけでなく「自分の打ち方とどう照らし合わせるか」まで一緒に見ていきたいと思います。

プロのような評論はできませんが、何本か実際に握って、素直にどう感じたかを書いていきます。同じところで迷っている人の、隣で一緒に候補を絞っていく感じで進めます。

インナーカーボンって、打つとどう違うのか

インナーカーボンというのは、カーボンなどの特殊素材を木材の内側(中心板に近い位置)に挟んだ構造のことです。逆に、上板のすぐ下にカーボンを入れたのがアウターカーボンになります。

友人のビスカリア(アウターの代表格)を借りてインナーフォース レイヤー ALC と打ち比べたとき、いちばん感じたのは球持ちの違いでした。球持ちというのは、ボールがラケットに乗っている時間の長さのことです。アウターはボールが当たった瞬間にパンと弾けて出ていく感じで、速いぶん「自分でかけにいく」前にボールが離れてしまう。一方インナーは、当たってから一瞬ラバーとブレードに食い込んでから飛びます。その間に回転をかけられる余地が残っている感覚がありました。

私の体感だと、ドライブのときに「乗せて持ち上げる」一手間が利く感じで、バタフライの説明でいう「ボールをつかむ感覚」はこれかと腑に落ちました。前陣でパチパチ叩くより、少し下がって回転で押していきたい打ち方の人ほど、この差はありがたいと思いました。

そもそも木材合板とカーボンで何が違うのか、というところから整理したい方には、卓球ラケットの素材別ガイドを別にまとめています。5枚合板・7枚合板・インナーカーボン・アウターカーボンの4つを、それぞれ打ってみてどう感じたかという実体験ベースで並べたものです。インナーを選ぶ前の土台として読んでおくと、この後の話が入ってきやすいと思います。

ALC・ZLC・SUPER ALC、素材で打感はどう変わるか

インナーラケットの主役になる特殊素材は、おおまかにアリレートカーボン(ALC)・ZLカーボン(ZLC)・スーパーアリレートカーボン(SUPER ALC)あたりです。

バタフライは反発特性と振動特性という数値を公式で出していて、これがけっこう参考になります。反発特性が高いほど弾みやすく、振動特性が低いほど手に響きにくくて球持ちが良くなります。

同じインナーフォース レイヤーシリーズで比べると、こうなります。

モデル 反発特性 振動特性 ブレード厚 平均重量
インナーフォース レイヤー ALC 10.7 9.4 6.0mm 87g
インナーフォース レイヤー ZLC 10.5 9.5 5.7mm 90g
インナーフォース レイヤー ALC.S 10.1 8.4 5.5mm 88g

数字だけ見ると ALC と ZLC は近いのですが、打つとキャラが違いました。ZLC は弾道が低くて直線的に飛ぶぶん、強打したときの伸びが気持ちいい代わりに、回転で山なりに持ち上げる打ち方だと少しネットに引っかけやすい印象でした。ALC の方が私には素直で、ドライブの弧線(ボールが描く山なりの軌道)が作りやすかったです。

SUPER ALC になると弾みがもう一段上がります。張本智和 インナーフォース SUPER ALC は反発特性 11.4・振動特性 9.5で、レイヤー ALC より明らかに弾きました。これは、硬い素材ほど弾むけれど「乗せる」時間は短くなる傾向どおりでした。上手い人なら違うのかもしれませんが、私には少し持て余すくらいの弾みです。

ちなみに同じ張本智和シリーズのインナーフォース SUPER ZLC は反発特性12.0です。調べてみたら、インナーファイバー仕様の中ではこれが最も高い反発でした。私には到底乗りこなせる気がしませんが、威力を最優先する上級者向けという位置づけなのも納得です。

選ぶ前に照らし合わせたい、自分の打ち方フェーズ

スペック表とにらめっこする前に、私が大事だと思うのは「いまの自分がどっちを欲しがっているか」です。弾みが欲しいのか、安定が欲しいのか。前陣で速く回したいのか、中陣で回転をかけて押したいのか。ここがブレていると、数字の良し悪しに振り回されます。

体感に効いてくるのは、ざっくり重量・板厚・素材硬度の3つだと思います。

軽い87g台は振り抜きが楽で、台上(台の上での細かいやりとり)やバックの切り返しが遅れにくいです。重い90g前後は当てるだけで飛ぶぶん、自分から振り回すと疲れます。

板厚は薄い5.5mm前後だと球を持ってくれて回転をかけやすく、厚い6.0mm前後はそのぶん弾みます。素材は硬いほど弾みますが、そのぶん球持ちは短くなる、という感じです。

私はブランク明けで振り遅れがちだったので、買い替えのときは弾みより軽さと球持ちを優先しました。実際にレイヤー ALC.S(板厚5.5mm・振動特性8.4)を握らせてもらったら、いちばん球が乗ってくれて、ツッツキ(下回転を送る台上の技)からドライブにつなぐときの安心感がありました。弾みは控えめですが、私の今のフェーズにはこれくらいが合っていると感じました。

インナーラケットおすすめ10選

並べたのは、2026年6月時点で各メーカー公式サイトに現行モデルとして載っているものから選んだ10本です。スペックはその公式で確認できた値を使い、価格は税込、重量は平均(または基準)重量です。STIGA は反発・振動の代わりにスピード/コントロール値を出しているので、そのまま載せています。

モデル メーカー 素材 板厚 重量 価格 向く打ち方
インナーフォース レイヤー ALC バタフライ 木材5枚+ALC 6.0mm 87g 16,500円 弾みと扱いやすさのバランス重視
インナーフォース レイヤー ALC.S バタフライ 木材5枚+ALC 5.5mm 88g 16,500円 回転と安定優先・前陣カウンター
インナーフォース レイヤー ZLC バタフライ 木材5枚+ZLC 5.7mm 90g 23,650円 直線的な弾道で押し込む型
張本智和 インナーフォース ALC バタフライ 木材5枚+ALC 6.0mm 88g 19,800円 前中陣の攻撃・大きめブレード
張本智和 インナーフォース SUPER ALC バタフライ 木材5枚+SUPER ALC 5.9mm 87g 25,300円 弾みと安定の両立・カウンター
張本智和 インナーフォース SUPER ZLC バタフライ 木材5枚+SUPER ZLC 6.2mm 86g 41,800円 威力最優先の上級者
丹羽孝希 ZC インナー VICTAS 木材5枚+Zカーボン 6.0mm 89g(FL・ST) 30,800円 操作性と反発の両立・台上重視
スワット カーボン VICTAS 木材5枚+フリースカーボン 6.0mm 85g 8,580円 木材寄りの打感でカーボン入門
アコースティックカーボンインナー ニッタク 木材5枚+FEカーボン 5.5mm 90g 24,200円 しなりと球持ちで中陣ドライブ
サイバーシェイプ カーボン STIGA 木材5枚+カーボン 6.3mm 85g 30,800円 六角形ブレードで広い打球面

何本か実際に握って印象に残ったものを補足します。

表の中でいうと張本智和 インナーフォース SUPER ALC は、バタフライ公式の張本美和選手ページ(2025年12月時点)で張本美和の使用用具として載っているモデルです。トップ選手が実戦で使っているという安心感はありますが、私が握った範囲だと弾みがしっかりあるので、扱える前提のモデルだと感じました。

スワット カーボンは8,580円という価格のわりに、カーボンが入っているのを忘れるくらい木材っぽい柔らかさがありました。フリースカーボンという素材のおかげか、弾みすぎないのが良かったです。カーボンが初めての人がいきなり高いものに行くより、まずこれで「インナーってこういう感じか」を掴むのに向いていると思いました。

アコースティックカーボンインナーは、ニッタク公式が「しなやかで球持ちの良い」と説明するとおりで、板厚5.5mmのしなりがドライブで効きました。中陣まで下がって回転で押す打ち方の友人がこれを使っていて、借りて打ったら確かに引き合い(お互い下がってドライブを打ち合う展開)でも球が落ちにくかったです。

サイバーシェイプ カーボンは六角形の独特なブレード形状で、最初は違和感がありましたが、打球面が広く感じてフォアの当たりが安定しました。STIGA は反発・振動の代わりにスピード145/コントロール45という値を公式で出していて、板厚6.3mmで弾むので、ここは扱える人向けかなという印象です。

価格帯とプレースタイルから1〜2本に絞る

10本も並ぶと逆に決められないので、私なりの絞り方を書きます。基準は「予算」と「自分の打ち方」の掛け合わせです。1〜2万円台を中心に考えると、こんな整理になりました。

  • ​前陣でカウンター中心​: レイヤー ALC.S。薄くて球持ちが良く、回転で返球を安定させたい型に合います。
  • ​中陣で回転をかけて押す​: アコースティックカーボンインナー。しなりが効いて引き合いで落ちにくい。
  • ​とにかく扱いやすさ優先​: スワット カーボン。価格も含めて失敗が少ないです。
  • ​弾みと安定を一本で両立したい​: 張本智和 インナーフォース SUPER ALC。予算が2万円台後半まで出せるなら候補です。

すでにインナーを1本使っていて買い替えを考えている場合は、いまの不満から逆算すると早いです。「飛ばなくて押し負ける」なら ZLC や SUPER ALC のように反発の高い方へ。「弾みすぎて自分のミスが増えた」なら ALC.S のように振動特性の低い方へ。私は後者で、弾みを足すより球持ちを取った口です。

結局、最初の一本にどれを選ぶか

ここまで数字を並べておいてなんですが、カタログを横並びにしただけでは結局決まりませんでした。最後は自分の打ち方フェーズと照らして、できれば握って打ってみるのが一番早いです。試打できる店が近くにあるなら、迷っている2本を同じラバーで打ち比べるのが理想だと思います。

それでも一つだけ言い切るなら、私は​弾みより球持ち寄りから入る​のをおすすめします。弾むラケットは気持ちいいですが、自分のミスも増えやすくて、上達の途中だと振り回されがちでした。

レイヤー ALC か ALC.S あたりの素直なインナーで回転をかける感覚を作ってから、物足りなくなったら ZLC や SUPER ALC に上げていく。私自身がそのつもりで ALC.S に落ち着いたので、同じように迷っている人にはこの順番が無難だと感じています。

最初から弾むモデルを乗りこなせる人もいると思いますが、私の場合は扱いやすさから入って正解でした。次の一本選びの、隣で一緒に考える材料になればうれしいです。