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卓球の戦型6種を整理する。自分はどれか見極めて、ラバー選びにつなげる考え方
卓球の戦型6種を、使うラバーの組み合わせで一覧整理。バタフライ公式を根拠にしつつ、社会人サークルで打つ目線で『自分はどれに近いか』を見極め、その戦型に合うラバーの方向性まで絞り込む考え方をまとめました。
あきひろ · 2026年6月2日
戦型を決めると、ラバー選びの迷いが半分消える
シェークの両面に裏ソフトを貼って、何となく打ってきた。そういう人はサークルにも市民大会にもたくさんいて、私自身もずっとそうでした。困るのは、ラバーを貼り替えようと思ったときです。回転寄りがいいのか、弾み重視がいいのか、硬さはどのくらいか――選ぶ基準が定まらないまま、レビューサイトの点数を眺めて時間だけが過ぎていきます。
この迷いの正体は、自分のプレーをひとことで言えないことにあると私は思っています。フォアで振り切りたいのか、両ハンドでテンポを作りたいのか、変化で揺さぶりたいのか。その方向が言葉になっていないと、ラバーの何を優先すべきかも決まりません。
卓球用品メーカーのバタフライが公式に出している初心者ガイドは、その入口として「自分がどの戦型になりたいのか」を先に置くよう勧めています。戦型というのは、シェークかペンか、どんなラバーで、台のどのあたりからどう打つか、というプレースタイルの型のことです。バタフライ公式の「戦型を決めよう」では、戦型ごとに使う用具も得意なプレーも変わるので、おぼろげにでもイメージしておくことが上達への近道だと書かれています。私の実感もこれに近く、自分のプレースタイルを一度整理しておくと、ラバー選びの選択肢が一気に絞れます。
6つの戦型を、使うラバーの組み合わせで俯瞰する
まず全体像を押さえます。バタフライ公式の「戦型を決めよう」は代表的な戦型として6つを挙げています。これをラケットの形(シェーク/ペン)、ラバーの組み合わせ、台からの距離感という3つの切り口で並べると、違いが見やすくなります。
| 戦型 | ラケットとラバー | 距離感とプレーの軸 |
|---|---|---|
| シェーク攻撃型 | シェーク両面に裏ソフト | 前〜中陣。両ハンドのドライブ(ボールに前進回転をかける打ち方)で攻める |
| シェーク異質型 | 片面が裏ソフト、もう片面が表ソフトか粒高 | 台の近く。球質の違いでチャンスを作る |
| ペンドライブ型 | ペンに裏ソフト、フォア中心 | 前〜中陣。日本式は片面、中国式は裏面も貼る |
| カット主戦型 | カット用シェーク、フォア裏ソフト・バック異質 | 後陣。下回転のカットでしのぎ、隙を見て攻める |
| 表ラバー速攻型 | 速攻用ペンや中国式に表ソフト | 前陣。たたくスマッシュと速いピッチ |
| ツブ高攻守型 | 反転式ペンの片面に粒高、もう片面に裏か表 | 台の近く。粒高(表面のツブが背の高いラバー)の変化で崩す |
表ソフトは表面にツブが出ているラバーで、回転より弾きの速さが持ち味です。裏ソフトはツブを内側にして平らな面で打つラバーで、回転をかけやすいのが特長です。粒高はそのツブをさらに細く高くしたもので、相手の回転を反射して読みにくい球を返します。
私もこの6種を最初は名前だけ眺めて混乱しました。両ハンドで打っているつもりなのに、片面の球質を変えて崩すのが好きだったので、自分は攻撃型なのか異質型なのか判断がつかなかったのです。けれど、普段どの面でどう打っているかを思い出しながら表を上から見ていくと、自分の戦型がだんだんわかってきました。
バタフライ自身も、男女とも世界ランキング上位者のほとんどがシェーク攻撃型だと書いています。最初の俯瞰では、攻撃の主流がどこにあるかも頭に入れておくと、自分の現在地が見えやすくなります。
自分はどれに近いか――打っているときの志向から当てはめる
戦型名から入ると、かえって迷います。私自身は戦型名からではなく、打っていて気持ちいい瞬間から逆算して自分の特性を考えました。次の問いに、自分はどう答えるだろうか。
- フォアで一発振り切って決めたときが一番気持ちいい
- バックハンドのテンポで押し込んでいるときが楽しい
- 相手が打ちあぐねてミスしてくれたときに手応えを感じる
- 自分から決めるより、ラリーを長く続けて崩したい
最初の2つに強く共感できる方なら、シェーク攻撃型かペンドライブ型です。3つ目と4つ目に共感できる方なら、異質型やツブ高攻守型、カット主戦型の発想に近いところがあります。ちなみに私は迷わず最初の問いに頷くタイプで、何年打っても結局フォアで振り切った一本が一番うれしい。だから素直にシェーク攻撃型を伸ばしています。
ここで正直に書いておきたいことがあります。社会人サークルや市民大会レベルで実際に多いのは、圧倒的にシェーク攻撃型です。異質や粒高は見ていて面白いですし、憧れる気持ちもわかりますが、まず今の自分の打ち方を確かめるのが先だと私は思います。両ハンドの裏ソフトで気持ちよく打てているなら、その延長にある戦型を素直に伸ばすほうが、遠回りになりません。
戦型が決まったら、ラバーの方向性はこう絞る
1〜2種に絞れたら、次はラバーの方向性です。製品名を決める前に、どの棚を見ればいいかの当たりをつける段階です。
| 絞り込んだ戦型 | まず試すラバーの方向性 |
|---|---|
| シェーク攻撃型 | 回転重視の裏ソフト。フォアはやや硬め、バックは食い込みやすい中硬度から |
| ペンドライブ型 | フォアで回転をかける裏ソフト。中国式なら裏面に扱いやすい裏ソフト |
| 表ラバー速攻型 | 弾きやすい表ソフト。スピード寄りで前陣のピッチに合うもの |
| 異質型・ツブ高攻守型 | 変化を出す表ソフトか粒高。裏面は使い慣れた裏ソフトを残す |
| カット主戦型 | フォアはコントロールしやすい裏ソフト、バックは変化系 |
硬度の目安だけ補足します。趣味のプレイヤーが両ハンドの攻撃型でいくなら、私はバックを中硬度から始めるのが扱いやすいと感じています。フォアは振りに自信が出てから硬めに上げても遅くありません。最初から硬いラバーで揃えると、軽打のときに弾まず、かえって振りが縮こまります。
トップ選手の用具をそのまま真似しない方がいい理由
憧れの選手と同じラバーを貼りたくなる気持ちは、私にもよくわかります。ただ、ここは慎重になったほうがいいところです。
たとえば張本智和選手は、2026年6月2日に確認したバタフライ公式の選手ページで、ラケットが張本智和インナーフォース SUPER ALC、フォア・バックともザイア03と記載されています(バタフライ公式 張本智和選手ページ)。樊振東選手は、同じく2026年6月2日に確認したバタフライ公式の選手ページで、ラケットが樊振東 ALC、ラバーにディグニクス09Cが掲載されています(バタフライ公式 樊振東選手ページ)。
一つ補足しておきます。樊振東選手はフォア面で粘着ラバー(表面に粘着加工をした、回転と弾みの異なるラバー)を併用していると言われていますが、その用具について公式ページは触れていません。公式が記載しているのはディグニクス09Cだけなので、ここでもそれだけを根拠に話を進めます。
そのディグニクス09Cは、公式表記でスポンジ硬度44、スピン96、スピード79の粘着性ハイテンション裏ラバーです(バタフライ ディグニクス09C)。回転をかけやすい代わりに、しっかり振り抜かないと弾んでくれない硬さです。同じシェーク攻撃型でも、前陣でカウンターを当てるタイプと、中陣からパワードライブで打ち抜くタイプでは、必要なラバーの硬さも球質も変わります。
比較のために挙げると、回転重視の定番であるディグニクス05は、公式表記でスポンジ硬度40、スピン85、スピード86です(バタフライ ディグニクス05)。スポンジ硬度の指数(バタフライ独自スケールの無次元の数値)は09Cの44に対して40で、4つ小さい。それだけでも軽打での扱いやすさが違います。
私自身、トップが使う硬いラバーに憧れて貼り替え、軽い球が全く弾まずに苦労した経験があります。戦型は同じでも、ラバーは自分の打点と距離感で選ぶべきだと、今ははっきり言い切れます。
異質・粒高に憧れる前に確かめておきたいこと
両面裏ソフトから異質型やツブ高攻守型へ移ろうか迷う人に向けて、トレードオフを正直に整理しておきます。
変化系ラバーの良さは、相手の回転を反射して読みにくい球を返せることです。自分から強い回転をかけなくても、相手のミスを誘えます。一方で失うものもあります。自分から決める球が減りますし、裏ソフトのように回転をかける感覚が掴みにくく、慣れるまで安定しません。
憧れだけで貼り替えると、それまで取れていた点が取れなくなる場面が出てきます。私は迷ったとき、変化で崩す楽しさに本気で惹かれているのか、それとも単に珍しさへの憧れなのかを一度切り分けて考えるようにしています。前者なら挑戦する価値がありますが、後者なら今の裏ソフトを伸ばすほうが勝ちにつながると感じています。
戦型は固定ではなく、現在地の確認
戦型は、一度決めたら変えられない型ではありません。いま自分が気持ちよく打てている方向を言葉にして、次の1枚を絞るための手がかりだと考えています。打ち方が変われば、そのときまた自分のプレースタイルを見つめ直していけばいいだけです。
自分の戦型が1〜2種に絞れて、ラバーの方向性まで当たりがついたら、あとは具体的な製品の比較に進む段階です。硬度・スピン・スピードの数字を、自分の打点と距離感に重ねて読んでいくと、レビューの点数に振り回されずに選べるようになります。