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卓球のドライブが安定しない原因を、練習・用具・回転の物理から考え直す

基礎打ちでは入るのに試合だと波が出る。卓球のドライブが安定しない原因を、ネット/オーバーのミスの偏り・回転の物理・ラケットやラバーの弾みから切り分けます。中級者が次に試す練習と用具の順番を、ブランク明けの自分の体験で整理しました。

ひさと · 2026年6月5日

ドライブが「たまに入らない」のがいちばん厄介

基礎打ちでフォアドライブを続けて打っているぶんには、わりと入ります。同じリズム、同じ場所に来るボールを、決まった形で振り返すだけだからだと思います。ところがラリーになったり試合になったりすると、急にドライブがコンスタントに入らなくなります。10 本中 7 本は気持ちよく入るのに、残りの 3 本がネットに引っかかったり、台を大きく越えて飛んでいったりする。この「たまに入らない」感じが、私にはいちばん厄介でした。

まったく入らないなら、まだ原因の見当がつきます。フォームが崩れているとか、そもそも打ち方を覚えていないとか、直すべき場所がはっきりしているからです。でも「たいてい入るのに波がある」というのは、どこを直せばいいのか分かりにくい。調子のいい日と悪い日があって、自分でも何が違うのか説明できませんでした。

ここで書きたいのは打ち方の入門ではなくて、ある程度打てているのになぜ安定しないのか、という疑問を深掘りして解決策を考えていくことです。私自身が社会人になってからのブランク明けで散々これに悩んだので、上手い人に教わったり動画を真似したり道具を替えたりしながら、自分なりに見えてきた順番を残しておきます。私が確かめられた範囲の話なので、上手い人が見たら違うと言うかもしれません。

先に結論を言っておくと、まず自分のミスがネット寄りかオーバー寄りかを見て、練習で直せる部分から手をつけて、用具は最後の調整として考える、というのが私の順番です。この順でひとつずつ書いていきます。

ネットミスとオーバーミス、自分のミスがどっちに偏っているか

安定しない原因を考える前に、私がまずやったのは、自分のミスを 2 種類に分けて眺めることでした。ネットに引っかかるミスと、台を越えて外すミス(オーバーミスのこと)です。この 2 つは、疑うべき場所がけっこう違うと感じています。

自分のミスがどちらに偏っているかで、見直す方向が変わってきます。私の感覚では、ざっくりこう分けて考えると入り口がつかみやすかったです。

ミスの出方 私が疑った場所
ネットに引っかかる 回転(擦り)が足りない・打点が落ちてから振っている・面が下を向きすぎ
台を大きく越える 振りが大きすぎ・当てる勢いが強すぎ・面が上を向きすぎ・ラケットが弾みすぎ

問題は、ラリー中はミスの種類なんていちいち覚えていられないことでした。打った直後は「あ、外した」としか思っていなくて、家に帰る頃にはネットだったかオーバーだったか曖昧になっている。そこで私がやったのは、練習の合間にスマホのメモへ「ネット ///」「オーバー /」みたいに正の字で書き足していくことです。1 ゲームごとに数を見ると、その日が自分でも驚くほどどちらかに寄っているのが分かりました。録画できる環境のときは、後から見返してミスの瞬間だけカウントすると、自分の思い込みと実際の偏りがずれていることにも気づけました。

やってみて分かったのは、自分のミスは日によってどちらかに寄っている、ということでした。なんとなく全部「ドライブが入らない」とひとくくりにしていたのですが、数えてみるとネットに集中している日と、オーバーが続く日があった。これに気づいてからは、その日のミスの偏りを見て直す場所を変えるようになりました。両方が同じ頻度で混ざることは、私の場合はあまりなかったです。

練習と意識で見直したところ — 振りの大きさ・ミートする位置・打点の高さ

ミスの偏りが見えてきたところで、私が練習で実際に見直した点を書いておきます。どれも上手い人に指摘されたり、動画を見て自分の振りと比べたりして気づいたことです。

まず、スイングが大きすぎました。基礎打ちで気持ちよく振れていたぶん、ラリーでも同じ大きさで振ろうとして、ボールが速くなると振り遅れてオーバーする。コンパクトに振って前に運ぶ意識に変えたら、台を越えるミスがだいぶ減りました。「飛ばす」より「乗せて運ぶ」くらいの感覚です。

次に、ボールをとらえる位置(ミートポイントのこと)がばらついていました。ある時は体の前で、ある時は横を通り過ぎてから当てていて、当てる位置が毎回違うと当然ボールの行き先も毎回変わります。体の前の決まった場所で打つことを意識すると、入る確率がそろってきた実感がありました。

最後が打点の高さです。私はボールが頂点を過ぎて落ちてから振っていることが多くて、落ちたボールを下から持ち上げようとするとネットに引っかかりやすい。頂点か、その少し手前でとらえるよう早めに準備したら、ネットミスが目に見えて減りました。これは私にとっていちばん効いた見直しでした。

ただ、意識を変えるだけで本当に直るのか、というのは私もずっと半信半疑でした。意識しただけだとラリーの中で元に戻ってしまうので、私には反復で体に入れる時間がやっぱり必要でした。調べてみると、各所の練習解説でもまず多球練習(球出し役が次々とボールを出してくれて、こちらは打つことに集中できる練習)でフォームを固めることをすすめていて、Rallys(ラリーズ)では同じコースに連続でドライブを打つ練習がドライブの打ち方を固めるのに効果的だと紹介されていました。私もこれを真似して、まず同じコースに来る球をひたすら同じ形で打って、振りの大きさと打点が安定してから動きながら打つ練習に移すようにしたら、ラリーでも崩れにくくなった感覚があります。相手がいないときは、直したい 1 点(私の場合は打点を早くする)だけを意識して鏡の前で素振りするのも、地味ですが効きました。

なぜ回転をかけると安定するのか、私の理解で整理してみる

練習で直す一方で、そもそもなぜ回転をかけたボールは入りやすいのか、という理屈も自分なりに知りたくなりました。感覚で「擦った方が入る」とは思っていたものの、なぜそうなるのかを言葉にできなかったからです。調べたり打ったりして、私の理解で整理してみます。専門家ではないので、上手い人が見たら違うかもしれません。

ドライブは、ボールの上側を前方向に擦って前進回転(トップスピン、進行方向に転がる回転のこと)をかける打ち方です。前進回転がかかったボールは、ただ飛ぶだけのボールより弧を描いて下に曲がり込みます。だから少し高めの弧線で飛ばしても、回転が効いてストンと台に収まってくれる。回転のおかげで「入る枠」が広がる感じで、私が打っていて安定すると感じるのはこの部分です。逆に回転が弱いと弾道が直線的になって、ちょっと力が強いだけで台を越えてしまう。オーバーが続く日に「もっと擦ろう」と意識すると収まることが多かったのは、たぶんこの理屈だと思っています。

ラバー選びの話を調べていたとき、バタフライのロゼナの解説で「トレランス」という言葉に出会いました。誤差を許してくれる度合い、くらいに読めばいい言葉です。ロゼナ|製品情報|バタフライ卓球用品では、これを「打球時の微妙なラケット角度やスイング方向の誤差をカバーしやすい特徴」と説明していました。回転をかけやすいラバーで擦れば、多少振りがブレても回転が軌道を整えてくれる、ということだと私は受け取っています。

ただ、擦りに寄せすぎても今度は飛ばなくなって、当てる勢い(ミート)とのバランスが大事だと打っていて感じます。擦り 10・当て 0 にするとボールが死んでネットを越えず、当て 10・擦り 0 にすると回転がかからず飛びすぎる。私の場合は、オーバーが続く日はラケットを少し寝かせて前方向に振り、ボールの後ろを薄く擦るように当て方を変えました。逆にネットに引っかかる日は、ラケットを立てて下から上への振り上げを強めて、当てるより擦り上げる比率を増やす。同じドライブでも、その日の偏りに合わせてこの 2 つを行き来すると安定した、というのが私の体感です。理屈で全部説明できるわけではないですが、回転は安定の助けになる、というのは自分の体感とも合っています。

ラケットが弾みすぎてオーバーすることもある

用具の話に入る前に、ラケットそのものが原因でオーバーが出ることがある、という点だけ先に書いておきます。私はここを見落としていて、フォームのせいだと思い込んで長く悩んだことがあったからです。

よく弾むラケットだと、同じ力で振ってもボールが飛びすぎて台を越えることがあります。私はブランク明けに、勢いで反発の強いラケットを使っていた時期があって、振りはそんなに大きくないのにオーバーが止まらなかった。そのときは自分の振りばかり疑っていたのですが、後から落ち着いて考えると、板が飛ばしてくれるぶん、自分が思っているより球が出ていたのだと思います。

反発の強さは、カーボンのような硬い素材が入っているラケットほど出やすいと感じます。私が今フォアで使っているインナーフォース ALC は、特殊素材(アリレートカーボン)が入っていますが、面の内側寄りに配置されているぶん、当たりが少し柔らかくて自分には扱いやすい。同じ素材でも配置や組み合わせで弾みの出方が変わるので、オーバーが止まらないときは、振りだけでなく板の反発も一度疑ってみる価値があると思います。

ただ、安定しないからといってすぐラケットを替えるのは、私はおすすめしません。ラケットを替えると打感がまるごと変わって、せっかく固めたフォームの基準がリセットされてしまう。私はラバーより先にラケットを動かすのは慎重派です。まず振りと回転で詰めて、それでも飛びすぎる感覚が残るなら板を疑う、くらいの順番が自分には合っていました。

用具を替えれば楽になるのか — ラバーの方向性

ここまで練習と理屈の話をしてきましたが、用具を替えれば楽になるのか、というのは買い替えに悩む人がいちばん気になるところだと思います。私もブランク明けに何枚かラバーを貼り替えて試したので、その体感で書きます。

結論から言うと、用具で安定しやすくはなります。ただ、用具だけで全部が解決するわけではない、というのが正直なところです。私が試した範囲では、回転をかけやすくて弧線が出やすい方向のラバーに替えると、多少振りがブレても入る確率が上がりました。バタフライのロゼナを貼ってみたとき、擦る感覚がつかみやすくて、オーバーが減ったのを覚えています。

逆に、硬めで弾みの強いラバーは、しっかり振れたときの威力は出るものの、力加減を間違えると簡単に台を越えていきました。テナジー 05 を友人のラケットで打たせてもらったことがありますが、回転もスピードも段違いに出る一方で、自分の振りが安定していないとオーバーが増えて、私にはまだ少し早いと感じました。公式のスペックを調べると、ロゼナとテナジー 05 はこう違います。

項目 ロゼナ テナジー05
スポンジ硬度 35 36
スピード 83 83
スピン 70 76
弧線 75 79
発売日 2017年4月21日 2008年4月21日

数値はロゼナ|製品情報|バタフライ卓球用品テナジー05|製品情報|バタフライ卓球用品の公式表記です。硬度の差はわずかですが、私が打った体感では、ロゼナの方が誤差を許してくれて、テナジー 05 は振った通りに正直に返ってくる印象でした。スピンと弧線の数値もテナジー 05 の方が上ですが、その回転を引き出すには自分でしっかり振り切れることが前提で、振りが不安定なうちは恩恵より暴れの方が大きく感じました。安定で悩んでいるなら、まずは扱いやすい方向のラバーから試すのが私には合っていました。

なお私はバック面にはロゼナを貼っています。フォアほど振り込めないバック側こそ、誤差を許してくれるラバーがありがたくて、ブロックやバックドライブ(バック側で打つドライブ)が安定したのを覚えています。ラバー単体ではなく、フォアとバックの組み合わせ、そして前の章で書いたラケットの弾みも含めて、トータルで飛びすぎないかを見るのが大事だと、貼り替えを繰り返して感じました。

結局どこから手をつけるか、私が次に試すこと

練習・物理・用具と並べてきましたが、全部を一度にいじると何が効いたのか分からなくなります。私が次に試すなら、こういう順番で動きます。

  1. まず数試合ぶんのミスを、その場でスマホにメモして、ネットに偏っているのかオーバーに偏っているのかを確かめる
  2. 偏った方向に合わせて、振りの大きさ・ミートする位置・打点の高さのどれかを 1 つだけ意識して、まず同じコースの多球練習でその形を固める
  3. 固まってきたら動きながら打つ練習に移し、それでも飛びすぎ・回転不足が用具のせいだと感じたら、最後の調整として用具を考える

用具を最後にしているのは、ケチっているわけではなくて、自分の振りが安定していないうちにラバーやラケットを替えても、何が原因で入らないのか切り分けられなくなるからです。私はブランク明けに先に用具へ走って、結局フォームの問題だったことが何度かありました。

なので私なら、まずミスの偏りを数えて、同じコースの多球練習で振りを固めて、それでも残る飛びすぎや回転不足を用具のせいだと感じたら扱いやすいラバーへ替える、という順で動きます。回転をかけやすいラバーは確かに助けになりますが、助けてもらう前提の振りは自分で作るしかない、というのがブランクから戻している今の私の実感です。同じところで波に悩んでいるなら、まずは自分のミスがどっちに寄っているかを数えるところから、一緒に始めてみませんか。